妊活を経て待望の妊娠で喜んだのもつかの間、流産の壁が立ちはだかります。
待ち望んで努力した結果がようやく実ったという気持ちが大きい分、流産という現実はなかなか受け入れがたいものです。
ただ、不妊治療をしている方はそんな辛いメンタルの中であっても、少しでも早く治療を再開したい気持ちが強い方も多いのではないでしょうか。
今回は不妊治療⇒妊娠⇒初期流産⇒治療再開を2回経験した私自身の体験談とともに、治療再開可能なタイミングについてご紹介していきます。
初期流産について
初期流産とは?
妊娠22週より前に体内で赤ちゃんが成長を止めてしまった、または体外に排出されてしまうなどで妊娠が継続しなかったことを「流産」と言います。
なかでも、妊娠12週未満で起こった流産は「早期流産(初期流産)」、12週以降22週未満は「後期流産」と分類されています。
初期流産が起こる割合は?
妊娠までたどり着ければ大体の人が出産まで進めるだろうという感覚の方もいらっしゃるかと思いますが、実は流産する確率は意外と高く、医療機関で確認された全妊娠の8~15%前後が流産になります。
そして流産をした方のうち、約85%が妊娠初期(12週未満)での流産となっており、「妊娠12週の壁」という言葉があるほどです。
また、妊婦が高齢であればあるほど流産率は高くなるのですが、不妊治療をしている人は年齢が高い方が多いため、必然的に不妊治療をしている方の流産率は前述の15%よりも高くなります。
体外受精をして妊娠した方の流産率は約20%程度とのデータもあります。
初期流産の原因は?
妊娠初期に起こる流産のほとんどは赤ちゃん側の原因(遺伝性疾患や先天性異常)によるものと言われています。
精子と卵子が受精した瞬間に流産になるか決まることがほとんどのため、母体の努力で防げるものではありません。
(マンガやドラマでよくあるような、転倒などが原因での流産は少なくとも初期の流産では起きません)
また、病院を受診したからと言って防げるものでもなく、どうすることもできないものです。
参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会 「流産・切迫流産」
流産診断後の処置
流産と診断されたあと、状態によって処置のパターンが変わってきます。
自然排出
自然に子宮から内容物が出てきている場合、外科的な処置は行わず自然にすべてが排出されるのを見守るパターンです。
(私は2回ともこのパターンの流産でした)
掻把手術
どうしても子宮内の組織が残ってしまった場合には、物理的に子宮内に器具を入れて組織片を取り出す手法があります。
掻把手術を行うと子宮自体傷ついてしまうため、不妊治療の再開タイミングが遅くなってしまいます。(数か月程度子宮を休める期間が必要)
私の通っているクリニックでは極力搔把手術を行わず、不妊治療から流産になった方の9割以上は自然排出で済んでいるとのことでした。
流産後に不妊治療を再開できる条件
流産してから不妊治療を再開するには、次の条件をすべて満たしている必要があります。
1.子宮内の状態が綺麗になっている
流産したら、子宮内に内容物が残っていないか経膣エコーで検査します。
内容物が残っていると薬や搔把手術などで排出させることが必要になるため、残ったまま不妊治療再開はできません。
2.女性ホルモンの値が正常値である
血液検査で女性ホルモンの値を検査します。
この値が通常の範囲内に戻っていれば、不妊治療再開が可能です。
3.妊娠ホルモンの値(hCG)が戻っている
女性ホルモンと同様、血液検査でチェックします。
通常流産して内容物がすべて排出されていれば、hCGの値も下がるはず。
なのですが・・・下がらない場合もあるようです。
私は2回目の流産時には胎嚢排出から2か月経っても微量のhCGが検出されてしまっていました。。
1回目流産~治療再開までの期間
1回目の妊娠&流産についてはこちらの記事にて詳しく紹介しています。
出血開始
2021年10月2日に出血開始しました。
最初は少量だった血がだんだんと増えてきて、数時間後には生理3日目ほどの出血量に。
この時点で「ああ・・・もうだめなんだなぁ」と諦めに向けて心の整理をしはじめる自分がいました。
胎嚢排出
痛み止めを飲み続けながら待つこと数日。
ソファでくつろいでいて、立とうとした瞬間生理で血の塊が出るような感覚が数秒間続き、慌ててトイレへ。
出血開始から8日。
2021年10月10日に胎嚢排出しました。
さすがに写真は撮れなかったけど、綺麗な卵型の塊(色は完全に生理のときのあれ)でした。
エコー&血液検査
排出された胎嚢を持ってクリニックへ。
子宮内エコーも行い、残留物はなさそうとのこと。
後日の血液検査の結果ではホルモンやhCGの値も正常だったので、次回生理が来たらそこからすぐに治療再開することになりました。
採卵
翌月生理が来たため、採卵準備へ。
12月20日に採卵を行いました。
流産~治療再開までの期間
胎嚢もそんなに遅くならずに排出され、子宮が綺麗になるのも早かったのですが、なんだかんだで意外と時間がかかったかなぁ、と言う感じでした。
胎嚢が排出されたのが10月10日、採卵日が12月20日だったので、治療再開までに2か月10日かかったようです。
これを短いととるか長いととるかは人によりそうですね。
ちなみにこの採卵のあとに4BCグレードの胚移植を行い、無事に妊娠⇒出産することができました!
妊娠⇒出産についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
ご興味がある方は是非ご一読ください!
2回目流産~治療再開までの期間
さて、2回目の流産~治療再開まではどうだったでしょうか。
2回目の妊娠&流産についてはこちらの記事にて詳しく紹介していますのでご興味がある方はご一読ください!
出血開始
2023年9月22日に出血開始しました。
仕事で軽井沢に向かっており、まさに現場の駐車場に到着!というタイミングで出血開始。
最初は鮮血と水分が混じったような薄い出血だったのですが、数時間後にはしっかりとした出血に。
この時点で諦めてはいたものの、実はこの後数日間出血が止まったタイミングがあり、少しだけ希望を持ってしまいました・・。残念。
胎嚢排出
出血開始から4日。
前回よりも早いタイミングとなる2023年9月26日、無事に胎嚢排出されました。
エコー検査
排出された胎嚢を持ってクリニックへ。
子宮内エコーを行った結果、胎嚢はしっかり排出されたものの、まだ子宮内に残留物があるとのこと。
数日後に再度受診したものの、まだ残留物ありの診断。
これが残ったままだと不妊治療再開もできないため、なるべく早く血を排出するためにプラノバールを処方され飲むことに。
(プラノバールを飲むと出血が止まり、断薬すると生理のような出血が起こる)
血液検査①
2023年10月20日、薬を飲み終え生理が来たためクリニック受診。
子宮の中はほとんど残留物がなくなったものの、血液検査の結果hCGの値がまだ190とのこと。(女性ホルモンの値は問題なし)
基本的にhCGは妊娠中のみ値が上がるものなので、妊娠していない場合であれば0が正常。
hCGが下がらないと不妊治療再開できないため、再びプラノバールを処方され生理を起こすことに。
血液検査②
2023年11月2日、再度薬を飲み終え生理が来たためクリニックを受診。
血液検査の結果、hCGの値がまだ39!
なんてしつこいんだ・・・。
またしてもプラノバールを処方され、生理を起こすことに。
血液検査③
2023年11月17日、3度目の正直でクリニックを受診。
血液検査の結果・・・
だいぶ下がったけど、まだ下がりきってない泣
(値を忘れてしまったけど、確かまだ8ぐらいだったと思われる)
ショックを受ける私の気持ちを汲んでくれたのか、先生から「まだベストではないんだけど、これだけ待ったんだし再開してみようか」と提案が。
神様・・・!!!
そんなこんなで、ベストな状態ではないものの、なんとか治療再開にこぎつけることができました。
胚移植
1回目の流産後は採卵からのスタートでしたが、今回は凍結胚が残っていたため胚移植からのスタート。
貼り薬や飲み薬を経て、2023年12月7日に採卵を行いました。
流産~治療再開までの期間
胎嚢排出が9月26日、胚移植が12月7日。
2回目の流産ではなぜかhCGの値がなかなか戻らなかったためやきもきしましたが、治療再開までに2か月11日だったので、結果的には1回目とほとんど同じ日にちで再開できた形です。
(ちなみにこの時は4BB胚を移植したのですが、残念ながら着床ならずでした・・・)
まとめ
流産してから不妊治療再開までの期間
1回目:2か月10日(胎嚢排出~採卵まで)
2回目:2か月11日(胎嚢排出~胚移植まで)
私の2回の流産では、どちらも2か月と少しで不妊治療を再開することができました!
2回目は子宮内に残留物があったりhCGの値が下がらなかったりとやきもきすることが多かったですが、結果としては1回目とほとんどかかる日数が変わらず治療を再開できてよかったです。(ベストを尽くそうとしたらもう1周期延びていたかもですが・・)
流産すると、1日でも早く治療を再開したい!という気持ちになる方は多いと思います。
実際は1日ではなく月単位での判断になるので、焦る気持ちは出てきますよね。
ただ、不妊治療は焦ったところで自分ではどうにもならないことが多いもの。
焦らず、まずは自分の体調を万全に戻すことに専念するのが妊娠への近道なのでは、と思います。
流産という悲しい経験をしたみなさんに、近い将来可愛い赤ちゃんがやってきてくれることを願います。(自分も含め・・・!!)
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