育休手当はどうなる?育休中に副業してわかったメリット・デメリットご紹介【正社員・個人事業主/フリーランス】

パパに抱っこされる赤ちゃんの画像 03.育児
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育休取得がしやすくなってきている今日この頃。男性育休も徐々にですが増えてきて、「育休中に副業をしたい」という方も多くなってきているのではないでしょうか。

ただ、「副業で稼ぐと育休手当(育児休業給付金)が減ってしまうのでは?」「そもそも育休中に副業してはいけないのでは」など、不安に思う方もいらっしゃるかと思います。

今回は正社員・フルタイム会社員の私自身が1年間の育休の中で個人事業主として副業を行った話を中心に、制度などご紹介していければと思います。

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育休中に副業してもいいの?

結論から先に言うと、育児休業中の副業は問題ありません

私は育休中に副業でまぁまぁ稼がせてもらいました。

育休中に副業をするにあたっての注意点

育児休業中の副業は問題ありません。

ただし、以下のとおり注意しておくべきポイントがありますのでご参照ください。

1.本業である会社の合意・許可

副業を許可する企業は年々増加しており、すでに副業やってるよ!という方も多いのではないでしょうか。

ただし、育休中など休職中に副業を行って良いか明示している企業は意外と少ないと思います。

法律で「育休中の副業は会社の許可を得ること」など決まっている訳ではないのですが、あとからトラブルにならないよう事前に確認をしておくことを強くおすすめします。

私の場合以前から副業を行っており、育休中にも副業をしたい旨を人事に伝えたところ「育休は子どもを育てるための休業なのに働くなんてとんでもない」という趣旨の言葉をいただきました。
心情的にはわかりますけどね。冷静に考えたら、休職中にどう過ごすか会社に制限される筋合いもないんですよね。
(人事内で話し合ってもらって、最終的には副業OKになりました。結論出るまで2か月近くかかりましたが・・・。)

2.副業で働く形態によっては育休手当がもらえなくなるケースがある

ひとことで副業と言っても、どのように働くかは人それぞれです。

働き方の中で気をつけなければいけないのは「従業員として雇用されて働く場合(給与所得としてお金を得る場合)」です。

アルバイトや派遣などが対象ですね。

この場合、1か月の就業日数が10日以上かつ就業した時間が80時間以上になると育休手当は支給停止となるので注意が必要です。

参考:厚生労働省 Q&A~育児休業給付~ Q7 育児休業給付金の支給要件を教えてください。

このほか、本業の会社で限定的に就業する場合、就業した割合に応じて順次減額⇒最終的には育休停止となるのですが、今回は副業がテーマですのでこのパターンについては触れません。

副業の中でも、どこかに雇ってもらう形式ではなく、自分が事業主となって行う(フリーランスや個人事業主)形式であれば育休手当がもらえなくなったり、減額されるという事はありませんのでご安心ください。

私は育休期間中に数百万円ほど稼ぎましたが、育休手当は満額支給されました

3.副業で得る収入額によっては確定申告が必要になるケースがある

副業などで得た所得が年間で20万円を超える場合、確定申告が必要となります。

また、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を⾏う方は、副業で得た所得が20万円以下であっても申告が必要となりますので注意が必要です。

所得とは

ざっくり言うと、もらったお金(収入・売上)からかかったお金(経費)を差し引いた額です。

これは育休中か否かに限らず、副業を行う際には発生することですので覚えておきましょう。

育休中の副業は本来の趣旨に反している?

先にも述べたとおり、「育休中の副業」について人事からは「子どもを育てるための休業なのに働くなんて」と言われました。

育休中に副業をすることは、本来の趣旨からは外れるのでしょうか。

正解はないのですが、個人的に考えをまとめてみました。

育休の目的とは

育児休業は「子の養育を行うため」の制度となっています。

この法律の「育児休業」とは、子を養育するためにする休業をいいます。

厚生労働省『育児・介護休業法のあらまし』 Ⅱ-1 育児休業制度 Ⅱ-1-1 育児休業の対象となる労働者

また、育児を理由とした退職を防ぎ、仕事と家庭の両立ができるように支援する制度でもあります。
(特に赤ちゃんの時期は24時間体制でのお世話が必要になりますし、入れる保育園も限られますのでフルタイムの仕事との両立は現実的に難しいですよね)

育児及び家族の介護を行いやすくするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、育児又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、このような労働者が退職せずに済むようにし、その雇用の継続を図るとともに、育児又は家族の介護のために退職した労働者の再就職の促進を図ることとしています。

~中略~

育児及び家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて、我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としているものです。

厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和4年3月作成) 01-04-06 この法律の目的

やっぱり育休中に働くのは好ましくない?

育休中に働くことについて、厚生労働省からは以下のとおり説明がされています。

育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度であり、休業期間中に就労することは想定されていません
しかし、労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的にその事業主の下で就労することはできます。

厚生労働省 育児休業中の就労について

ここで言われている就労とはいわゆる「本業先で少しだけ働くこと」なので副業として明言されているわけではないのですが、本業であろうと副業であろうと

1.基本的に休業中は子の養育が最優先

2.子の養育をする必要がない時間には働くこともOK

ということなのかな、と理解しました。

育休を取得している世間の母親・父親が常に24時間つきっきりで赤ちゃんのお世話しかしていないかと言われると、そんなことはありませんよね。

特に夫婦で育休を取得したり、里帰りなどして大人複数人で赤ちゃんのお世話をする場合、交代制にするなどして「子の養育をする必要がない時間」は大なり小なり作ることができるのでは、と思います。

時にはカフェに行ってくつろいだり、マッサージを受けて癒されたり、個人のスキルアップのために勉強をする方もいると思います。

育休中は子の養育以外のことをやってはならん!となった場合、これらもすべてNGになってしまいますが、そんなのおかしいですよね。

個人的には副業もカフェやマッサージと同じだと思っています。

「それなら副業だなんて言ってないでさっさと本業に戻れば?」なんて人も出てきそうですが、本業はフルタイムの週5勤務。自分の空き時間で好きにできる副業とはまったく違います。

育休中でも子の養育をする必要がない時間は存在するので、その時間に副業をすることは、本来の趣旨からも外れていないのでは、と私は考えています。

育休中に実際に行った副業をご紹介

育休中に私自身が行った副業は次のとおりです。

アルバイトのような形ではなく、個人事業主・フリーランスとして活動しました。

写真撮影

空いた時間に撮影会を企画して開催したり、出張撮影を受けていました。

夫も一緒に育休を取得していたので、家族3人で出かけてお仕事をしました。
(夫は私のサポート+子どものお世話)

たくさんのお客さんと接することで子どもも人に慣れてくれましたし、良い経験になりました。

撮影が我が家のメインの収入源です。

WEB制作

数件ですが、WEBページの制作も行いました。

個人的にあまり得意ではないのですが、家でできる仕事なので子どもの面倒を見ながら隙間時間に進めることができてよかったです。

ストックフォト

子どもの写真を撮って、ストックフォトに登録しています。

1件あたりの売上は大したことがないのですが、子が産まれてから地道に登録すること早1年。

5万円ほどの儲けになりました。(月4,000円と考えると意外と大きい!)

子どもの思い出写真もたくさん残せるし、一石二鳥。

育休中に副業してわかったメリット

育休中の収入減のダメージを緩和できる

一番のメリットはやはり「収入を得られる」ことに尽きます。

育休中は手当がもらえますが、支給額には上限がありますし、休職する前と比べたら当然ながら収入は減ります

そんなときに副業をしていることで、マイナス分を補うことができるんです。

おかげで我が家は夫婦ふたりで1年間の育休を取りましたが、育休中も節約生活を強いられることなく、たくさんお出かけして、子どもに良い刺激を与えながら育児することができました!

育休が明ける前には、副業で稼いだお金で3週間の旅行にも出かけました。

家族みんなで長期の旅行に行ける機会はなかなかないので、本当にいい経験になりました。

育休の制度や育休手当の額についてはこちらの記事をご覧ください。

社会と繋がっていられる

2つ目のメリットとして、「社会との繋がり」が挙げられます。

育休中はどうしても外部との繋がりが希薄になってくるもの。

大好きな赤ちゃんと一緒でも、やっぱり一人の大人の人間として、外の人とも交流したいですよね。

副業することで、内に閉じこもることなく社会と繋がっていることができました。

新しいチャレンジができる

これは副業に限らずではあるのですが、「新しいチャレンジ」ができました!

先にもお伝えしたとおり、我が家は夫婦で育休を取得したため、ふたりで協力して育児ができたのでその分時間が余りました。

余った時間の中で、副業として新しくチャレンジできることはないかな?と考え、それまで出張撮影しか行っていなかったところ、撮影会の企画・開催も始めることができました。

撮影会の開催にあたっては場所の選定などで実際にいろいろな場所へ足を運ぶ必要があったのですが、育休中だったおかげで行くことができました。(本業中だったらこんなに手間暇かけられなかったと思います・・・)

育休中に副業してわかったデメリット

家族の誰かが体調を崩すと急に忙しくなる

個人事業主として行う副業は、基本的に自分で働く時間や量をコントロールできるので、そのときそのときの状況に応じて仕事を行うことができます。

ただ、自分の裁量で決められるとは言え、時には想定外のことが発生します。

・急に子どもの体調が悪くなって、看病に時間を多く取られて作業が捗らない

・自分も体調を崩してしまったが、納期はすぐそこに迫っている

などの状況に陥る可能性もあります。

こんなとき、本業であれば誰かが代わりに仕事をこなしてくれますが、個人事業主だとそういう訳にはいきません。

自分の裁量で仕事を決めるにしても、何かあったときのために多少は余裕を見て仕事を作っておくことをおすすめします

まとめ

いかがでしたでしょうか。

賛否両論あると思いますが、私は育児休業中の副業は全然OKだと思っていますし、実際にやってみて色々な経験ができ、本当によかったです!

また二人目に向けて妊活を行っていますが、夫婦間で次も絶対に育休を取ろうね(もちろん副業しながら)、と話しています。

この記事を読んで、「自分も育休中に副業をやってみよう」「収入減が心配だから育休を取りづらいと思っていたけど、副業でカバーできるなら育休を取ろう」と思う方がひとりでも出てきてくれたら嬉しいです。

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